うねり性波浪に伴う
数分周期の水位変動の検証
 
沿岸における水位観測
水位観測地点
 
うねり性波浪のスペクトル,岩瀬浜(2015年1月7日〜12日)
うねり性波浪のスペクトル,岩瀬浜(2015年1月13日〜18日)
数分周期水位変動のスペクトル,岩瀬浜(2015年1月7日〜12日)
数分周期水位変動のスペクトル,岩瀬浜(2015年1月13日〜18日)
うねり性波浪のスペクトル,四方沖(2014年12月15日〜20日)
うねり性波浪のスペクトル,岩瀬浜(2014年12月15日〜20日)
数分周期水位変動のスペクトル,四方沖(2014年12月15日〜20日)
数分周期水位変動のスペクトル,岩瀬浜(2014年12月15日〜20日)
 
水路実験(急深沿岸)
・港湾空港技術研究所の水路(長さ35m,幅0.6m,深さ0.6m)で実験。
・造波装置で規則波[波長3m(周期1.51秒)、波高9cm]を10分間発生
・4台の波高計(1:沖合, 2:湾口, 3:湾中央, 4:湾奥,)で0.05秒毎に観測
・8192個のデータ(409.6秒間のデータ)を用いてスペクトル解析

<水路の水深:0.6m(床上の水深:0.2m)水路の幅は0.6m>

水路実験の概要
 波浪スペクトル(黒:ch1・沖合,青:ch2・湾口,紫:ch3・湾中,緑:ch4・湾奥)
  上: 25.0秒〜434.6秒までの409.6秒間のデータ(8192個)
  下:190.4秒〜600.0秒までの409.6秒間のデータ(8192個)
  (入射波:波長3m,波高9cm, 固有振動:周期6.7秒, 振幅1mm)
             
平面水槽実験(通常沿岸)
平面水槽(長さ:45.23m,幅:5.6m), 通常沿岸を想定
水平床上で固有振動が生じるかどうか検証

☆実験方法
規則波(周期1.48秒(波長3m), 波高5cm〜15cm)を
16分間造波し、0.05秒毎に波高計で水位を観測した。

☆解析データ
造波装置を動かした16分間(960秒間)19200個のデータ
のうち、16384個(819.2秒間)のデータを使用した。
(a)時間A(Time A):0〜819.2秒まで
(b)時間B(Time B):50〜869.2秒まで
(c)時間C(Time C):140.8〜960秒まで
平面水槽での造波実験概要
             
平面水槽実験2
平面水槽での造波実験2概要
             
スペクトル(ch.16, 青:TimeA, 黒:TimeB, 紫:TimeC)
規則波(周期1.48秒(波長3m),波高11cm)
スペクトル(TimeC, 青:ch.16, 黒:ch.14, 紫:ch.12, 緑:ch.3)
[周期18.2秒の固有振動:ch.16,ch.14,ch.12の値と位相がほぼ同じ]
水位[ch.14, 入射波:波長3m(周期 1.48秒), 波高 11cm]
水位のスペクトル(ch.14, 入射波:波長3m(周期 1.48秒), 波高 11cm)
水平浅瀬床上の固有振動(周期9.1秒)
ch.14における波形  [周期18.2秒の周期約18秒のビート現象]
(入射規則波:波長3m, 波高13cm)
☆周期18.2秒の固有振動:振幅7mm[ch.12〜ch.16]
  水平床(長さ2m)上で上下に振動

☆周期 9.1秒の固有振動:振幅3mm(6mm)[ch.16]

(a)時間A(Time A):0〜819.2秒まで
(b)時間B(Time B):50〜869.2秒まで
(c)時間C(Time C):140.8〜960秒まで
スペクトル(ch.16, 青:TimeA, 黒:TimeB, 紫:TimeC)
規則波(波長3m,波高9cm)
固有振動(18.2秒,12.2秒):時間とともに減衰
固有振動(9.3秒):減衰しその後成長
             
平面水槽実験3
平面水槽での造波実験3概要
             
スペクトル(ch.16, 黒:TimeA, 青:TimeC) [入射波:波長3m,波高11cm]
水平床上の平均水位の変動(入射波:波長3m,波高7cm)
水平床上の平均水位の変動
水位[ch12, 入射波:波長3m(周期1.48秒),波高7cm]
水位[ch13, 入射波:波長3m(周期1.48秒),波高7cm]
水位[ch16, 入射波:波長3m(周期1.48秒),波高7cm]
水平床上の平均水位の変動の原因
             
まとめ
☆4.4km離れた海底地形の異なる2地点(水深10mと20m)
 における水位観測より
 ・数分周期の水位変動は、うねり性波浪が沿岸の
  水平浅瀬域で変形することにより長周期成分波が
  生じる。これらの長周期波は浅瀬域で減衰・消滅
  するが、浅瀬域の固有振動周期と同じ周期の波は
  あまり減衰せず、押し寄せるうねり性波浪によって
  駆動されて成長する。

沿岸部における、うねり性波浪に伴う水位変動の
発生メカニズムについて調べた。

☆水路・平面水槽による造波実験により、
 ・水平浅瀬床に規則波を侵入させることにより、
  水平浅瀬床上で長周期の固有振動が生じることを
  確認した。

 ・長周期波とうねり性波浪が相互作用することにより
  うねり性波浪が長周期波の周期でビートする。

 ・波が集まる水平浅瀬床上では、顕著な平均水位の
    変動が確認された。

 ・波長3m,波高7cmの波が水深16cmの水平浅瀬床に
    侵入した時、平均水位の上昇が最大となり4.3cm
    であった。
  これは、水深16mの水平浅瀬域に波長300m、波高7m
    の波が侵入した場合の水位上昇が約4mであること
    を示している。

 ・水平浅瀬域における数分周期の固有振動、および
  それによってうねり性波浪に生じるビート現象は、
  錨泊中の船の走錨原因になっていると思われる。

☆今後の課題
 ・水平浅瀬床上における固有振動や平均水位の変動
  について、条件を変えて詳しく調べること。