水位の周期変動(海洋波)について
 沿岸で水位観測を行うと、海面(水位)が様々な周期で変動していることが
分かる。ここでは、この海面(水位)の周期的変動を海洋波と定義する。沿岸
で観測される水位変動のスペクトルは図1の様になる。周期の短い方から見
ていくと、海面上で風が吹くことによって生じる周期数秒の風浪、風浪が他
の海域へ伝播した周期十秒〜数十秒程度のうねり性波浪。この風浪とうねり
性波浪をまとめて波浪と呼ばれ、波浪の周期は1秒〜30秒程度である。
 次に、うねり性波浪が浅瀬域に侵入することにより浅瀬域で生じる数分周
期の固有振動を、ここでは、うねり依存性長周期波と呼ぶことにする。さら
に、移動性低気圧や海底地震等により生じた水位変動が浅瀬域に侵入するこ
とにより生じる周期10分〜数時間時間程度の固有振動を単に長周期波と呼ぶ
ことにする。
 半日周期〜1日周期の水位変動は、月や太陽等の潮汐力により生じるもの
であり、潮汐として広く知られている。さらに、1年周期の顕著な水位変動
が存在しており、これについては、海水温度が1年周期で変動して海水が膨
張収縮することにより生じていると考えられているが、千島列島の幌筵島で
は、水位が夏に低く冬に高くなり、日本周辺海域とは逆位相になっている。
1年周期の水位変動を海水温度の季節変化のみで説明することは困難である
と思われる。
図1 海洋波のスペクトル
図2 富山新港内の1時間毎4年間分の潮位のスペクトル密度(2015年4月1日〜4年間)