大陸棚
(Continental shelf)
大陸周縁にある浅い平坦な海底。
平均傾斜 0゚7'、外縁の平均水深は130m、その沖合は急傾斜の大陸斜面。

図1 大陸棚の概要
☆大陸棚の形成について
 1959年、カリフォルニア大学スクリップス海洋研究所のJ.R.Currayと
F.P.Shepardは、米国テキサス沖の大陸棚上の堆積物の中から砕波帯の
貝殻を選別して炭素14法によって貝殻の年代を測定することにより、
最終氷期の終わり頃(19000年前)、海水面は現在よりも115m以上低下し
ており、その後、海水面は上昇し約5000年前に現在の海水面になったこ
とを発表した。
 大陸棚の平坦な地形は、海水面が上昇する過程で波による浸食や、
河川から流れ出た土砂の堆積によって形成されたと考えられている。
そして、19000年前には、現在の大陸棚の大部分は陸地であり、森林や
草原等の植生が広がっていた。ただし、19000年前には植生が広がって
いた証拠は発見されていなかった。
 黒部川扇状地の航空写真を次に示す。黒部川沖の大陸棚はほとんど
発達していないが、19000年前の海水面が現在よりも115m以上低下して
いた頃に、もし、黒部川扇状地がもう少し低いところで形成されてい
たら、海面の上昇により現在よりも広い大陸棚が形成されていたと考
えられる。
黒部川扇状地(写真提供:北陸地方整備局黒部河川事務所)
☆大陸棚に植生が広がっていた証拠の発見
 当時、富山医科薬科大学教授であった堀越勇氏を会長とする会員数
約30名の北陸スキンダイビングクラブは趣味と研究を兼ねて海底の探索
を行っていた。1980年 5月 4日、10名の会員が入善町吉原海岸沖で潜水
を行っていたところ、下田喬士氏が水深26m〜40mの海底で高さ50cm程度
の樹幹が何本も立ち並んでいるのを発見した。富山大学教授の藤井昭二
氏が調査したところ、その樹幹はシデとトチノキであり、材の年代は
10,150年±230年前であることが分かった。
 この様にして、海底林が発見されたことにより、大陸棚は昔陸地であ
り植生が広がっていたことが明らかになった。
<参考文献>
(1)藤井昭二・奈須紀幸:海底林,東京大学出版会,1988年1月,ISBN4-13-062027-4