2005年研究航海の報告 −DGPS海上実験,CTD・ADCP等による海洋観測− |
富山商船高等専門学校 河合雅司・千葉元 |
<講演概要> 2005年 8月30日〜31日、富山商船高等専門学校練習船若潮丸で研究航海が 行われた。この航海では、地上デジタル放送の電波に多重されたGPS位置補正 情報の受信実験とCTD・ADCP等の観測装置による海洋観測が行われた。GPSに 関する観測については河合が、海洋観測については千葉が報告した。 ☆GPS位置補正情報海上受信実験 テレビの電波にニュースやドラマ等の番組だけでなく地震や津波等の 災害情報等様々な情報を多重して放送することにより、付加価値を付ける ことが可能である。そして、どのような情報を付加すればより価値の高い サービスを提供することができるのかについて検討することは重要である。 そこで、KNBは2005年 3月15日に高精度GPS実用化実験免許(有効期間4年) を取得し、地上デジタル波でGPS位置補正情報を放送し、その有効性を検証 するための実験を行っている。この一環として海上受信実験を行った。 若潮丸のフライングブリッジにターンスタイルアンテナを設置し、地上 デジタルデータ受信機(エル・エス・ジャパン製作)を用いてGPS位置補正 情報を受信した。更に、この情報をGPS受信機(JRC NNN-202)に入力して DGPS測位を行った。これらの観測結果をまとめると次のようになる。 (1)無指向性のターンスタイルアンテナを用いた場合、七尾湾までは受信 可能であることが確認できた。 (2)臨海実習場係留中の観測データを用いて、測位精度を調べたところ 東西方向の精度はRMS(標準偏差)で0.39m、南北方向の精度はRMSで1.01m、 上下方向はRMSで1.44mであった。南北方向の精度が低下している原因は、 GPSアンテナのすぐ南にレーダマストがあり、このレーダマストによる マルチパスの影響により、東西方向に比べて精度が悪くなっているもの と思われる。 ☆海洋観測 富山湾及び七尾湾における、水深毎の海水温度、塩分濃度、溶存酸素濃度、 及びADCPによる富山湾から能登半島先端付近までの水流調査、マイクロ波 波高計による波浪観測の結果について報告した。 |
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勉強会の様子 |
☆参加者数 11名 |