GPS単独測位による電子基準点位置について
(On the Positions of GPS Stations Determined by Point Positioning)
富山商船高等専門学校
河合 雅司

<講演概要>
 静止衛星の軌道解析において、軌道決定後の観測距離と計算距離の残差に、
振幅約1m、周期約12時間の周期変動が存在し、現在の軌道解析理論でこの
周期変動を説明することはできない。もし衛星観測局の位置が12時間周期
で数メートル程度変動していると仮定すれば、これを説明することが可能で
ある。
 そこで、国土地理院の電子基準点で観測された約1年分のGPS擬似距離
データを用いて電子基準点の位置を求め、この位置をフーリエ解析したところ、
電子基準点位置が約12時間周期で変動していることを確認することができた。
又、この位置を12時間周期の位相毎に平均したところ、電子基準点位置が
数メートルのオーダーで周期的に変動している様子を確認することが出来た。
電子基準点位置の変動の理由については、月や太陽の潮汐力によって地球の
マントル内部に海洋における海流や潮流のような流れが存在しており、
この上に浮いているプレートが、マントル内部の流動と共に約12時間周期
で5m程度動いていると考えることができる。

☆発表資料    ☆講演原稿


☆参加者数 10名
勉強会の様子(富山駅前CiCビル3階,2005年 6月18日)